2021年3月2日火曜日

「韓氏意拳学術体系の根源」(韓競辰拳学論文)

 「韓氏意拳学術体系の根源」  韓競辰 

韓氏意拳の学術体系は、中国伝統文化における、道学や陽明学に基づく学術の観点からその思想を導き出し、成立している。 学術体系の核となる原理は 「自然条件⇒自然の変化過程⇒自然産生的結果」 韓氏意拳は伝統武術における“勁”の本質に対し、全く新しい解釈をしており、併せて拳術を学習する過程の全てにおいて、言葉は簡潔にしてその意を全てに尽くしている。そして実際に使う事のできる独特の風格を持つ拳学、拳学体系である

韓氏意拳では次のような事柄について明らかにしている。
現代では人間の根本的な運動原理や訓練方法は、それが客観的には東洋のものであったり西洋のものであったり、または現代的であったり伝統的であったりするが、それらにはほとんど差異はない。ただ単に名称が異なっていたり、形式的な差異、つまり文化の表現形式が異なるだけで、本質的には全く差異がないと言えるだろう。
中国の伝統的な拳学や拳術の表現形式は、そのようなものとは根本的に異なり、そこには天と地ほどの差がある。ここには運動のメカニズムにおいての明らかな違いがある。
韓氏意拳は、教学原理において、古くからの教え「師者、解惑也(師は惑いを解くもの)」に従い、教学を行う中で「言伝(言葉により伝える)、身教(運動形式、感覚的教導)、心授(思想交流)」という伝統的な教授法を採用している。
それらによって韓氏意拳が学習者に求めるものは、全ての拳術理論や拳術の原則を各自が具体的に行う過程の中で体得し、自身においてそれを証明して行く事である。
そして韓氏意拳の最終的な答えは、「それぞれ一人一人の拳である」ということなのだ。